沖縄カラキの葉について
沖縄カラキの葉について
沖縄カラキは、準絶滅危惧種に指定されており、その保全が進められている。そのため、幹の皮を利用することが難しくなっているが、葉には大きな研究価値があるとされている。
最近、私たちの研究により、この沖縄カラキの葉に、毛細血管の健康に関わるTie2受容体をリン酸化(活性化)する効果があることが確認された。
沖縄カラキ葉からの抽出物によるTie2活性化効果の検証
企画:日本亜健康研究所株式会社 柯彬 梁運飛(沖縄)
実験の実施:ジーン・ステム株式会社(大阪)
実験結果報告者:高倉伸幸(大阪大学)
「目的」
沖縄カラキの葉抽出物によりTie2のリン酸化を引き起こす効果の検証
「材料と方法」
材料:沖縄県大宜味村農園にて栽培している沖縄カラキの乾燥葉と半乾燥葉の粉末。
抽出法:3gの葉の粉末にメタノール60Lを加え、50℃で3時間放置した後濾液を減圧濃縮した。
解析方法:マウスpro-B細胞(Ba/F3)にヒトTie2を過剰発現させた細胞を使用して、Tie2リン酸化解析を行なった。HRP標識した抗体でブロットし、得られた反応物はECL溶液で可視化して撮影した。Tie2のリン酸化の有無は、Amersham Imager 680のソフトを用いて計測した。
「結果」
図1、ウエスタンブロットの写真
図2、データのグラフ化
表1、ウエスタンブロットにより計算した数値
①DMSO対照、②Ang1ポジティブ対照、③乾燥葉抽出物1000ug/mL、④乾燥葉抽出物1000ug/mL、⑤乾燥葉抽出物1500ug/mL、⑥乾燥葉抽出物2000ug/mL、⑦半乾燥葉抽出物1000ug/mL、⑧半乾燥葉抽出物1000ug/mL、⑨半乾燥葉抽出物1500ug/mL、⑩半乾燥葉抽出物2000ug/mL。
乾燥葉において、③の1000ug/mLによるリン酸化されたTie2(P-Tie2)は、①の対照よりも濃さが高く、Tie2のリン酸化率は対照の1.9倍になった(1.5倍以上でTie2をリン酸化されたことを示す)。⑤の1500μg/mL(対照の1.7倍、表1を参照)、及び⑥の2000μg/mL(対照の2.4倍、表1を参照)では、用量依存的にTie2のリン酸化が誘導された。乾燥葉抽出物については、EC50が1000μg/mL程度かと推測される。
半乾燥葉抽出物では、⑦の1000ug/mLと⑩の2000μg/mLにおいて、Tie2のリン酸化は観察された(それぞれは、対照の約1.6倍と1.7倍になった)。また、目視でのバンドの濃さからも、Tie2がリン酸化されていたことが分かった。